2010/02/05

09 第15回

プロセスシートの提出

補講期間の最終日、この授業も最終回です。
3つの課題それぞれのまとめとして制作した「プロセスシート」の提出が今日のミッション。
手描き制作を条件としましたが、それをどう捉えるかで、結果は大きく変わってしまいました。

別の授業でグラフィックソフトも使い始めているので、「手描きなんて・・・」と思うかもしれません。しかし、デザイナーたる者、「便利」とか「お手軽」ということばにのせられてはいけません。人の心を揺り動かす表現は、基本的に「不便」で「手間がかかる」モノなのです。

表現活動のプロセスを記録として残すことの重要性はこれまでも伝えてきました。それを他者ににも伝わる、解りやすく魅力的な表現を模索することが、このプロセスシート制作のポイントでした。

2009/10/13

09年度:第3回 動物の抽象化 1

課題の解説、アイデアスケッチ

先週から既に第一課題のプロジェクトはスタートしていますが、今日からが実質的な制作活動です。

スケッチである程度イメージが見えてきたら、粘土を使って実際にかたちにしてみます。
受講生はなかなか「抽象化」という思考ができなくて、スケッチではただその動物のシルエットを描くだけだったり、キャラクターになってしまったり。粘土を触っても、その動物のかたちをただ作るだけになってしまったり。
「みたて」とか「物語る」というトレーニングが足りないなぁ。


石塚先生からは、今回もヘンリー・ムーアのデッサンが例として示され、「立体のボリューム感や、断面がどうなっているかまで意識してみましょう」という、かなり重要なアドバイスがありました。受講生のみんな、解ったかなぁ。

次回は、今日いろいろ試してみたプチ表現の中から、いよいよ作品化を試みます。

2009/10/06

09年度:第2回 アイデアスケッチ

宿題(動物の観察)の確認、情報整理、アイデアスケッチ

今回は、本番の課題に入る前の準備ということで、取材してきた動物のスケッチから、作品制作に向けたアイデア出しの時間となりました。

「抽象化」に向けて

第一課題である「動物の抽象化」は、油土を使っての立体作品の制作です。本格的な制作は来週からとして、今日は受講生それぞれが動物園でスケッチしてきた表現を元に、その動物の特徴を抽象的な表現に展開していくアイデアスケッチをたくさん描きました。

石塚先生からは、「抽象化」の定義やこれからの制作プロセスについての説明と、ヒントとしてピカソ、ムーア、ブランクーシ、そして前回のカルダーの作品が紹介されました。

かなり丁寧に説明されたのですが、実際に自分でやってみると「抽象化ってどうするの?」的な学生が多かったようです。

ポイント
・「the」ではなく「a」、つまり個としての動物ではなく、種としての一般的なその動物の特徴を際立たせた表現。
・キャラクターデザインとは正反対の方向性。特徴を創り出すのでなく、その種が本来持っている「らしさ」を表現する。
・図鑑的なシルエットを描くのではなく、動きや仕種などからその動物の特徴を見つけ出す。



午前のクラス、午後のクラスを通して、「ペンギン」が圧倒的に多かったのが印象的です。描きやすそうだからか?
でも、よく考えてみてください。描きやすいということは、ある意味既に抽象化されている、パターン化されすぎている、と言うことでもあります。また、ペンギンなどは水中での活動に向けた進化を果たしていて、形態自体が既に相当洗練された機能的で抽象的なかたちをしています。輪郭線をなぞっただけでは魅力的な作品にはなりませんよ。

石塚先生のアドバイスにもあったように、対象とした動物が難しいと思っても、失敗を恐れずに、どうしたら美しいかたちを導き出せるのかの試行錯誤をやりきってほしいものです。


こんなにじっくり表現と向かい合える機会は今しかない


これは横溝先生からのコメントでしたが、まさにその通り。いま「表現したい」という気持ちを盛り上げておかないと、将来はないと思いますよ。
多くの学生がしっかり準備をしてこの授業に臨んでいる一方で、ホントにそれでいいの?と言いたくなる学生も何人か。説明をちゃんと聞く、制作に集中して「おしゃべり」で他の人の邪魔をしない、指定された準備は確実にやってくる、言われたことだけでなく自ら調べる、など小学生でもできる当たり前のコトはちゃんとできていてほしい。
人数が多いと、どうしても楽な方に流れてしまいがちだけど、ここでしっかりやりきった人が結局この先の成長を確実なものにできるってこと、解らないだろうなぁ・・・。
(文責:原田泰)

2009/10/04

事前課題:動物園へ

この授業の受講生は、事前課題として動物園で実際の動物を観察、スケッチしてくるコトになっていました。
昨年度の授業の反省会で、「自分たち教員もやってみせたいね」と盛り上がったので、早速実践。

日曜日は混んでいるのが当たり前

今日は連休前の週末だし、ちょっとは空いているかと思いきや、上野動物園は普通に混んでいました。天気もよくて、動物たちは嬉しそうでしたが、こちらは日向で人ごみに押されながら、スケッチブックを広げ、子どもたちに「このおっさん、何描いてんだ?」という目に晒され、かなり消耗しましたよ。

でも、「若いもんにはまだ負けられん」と意地になって、閉園時間ギリギリまで粘って楽しんできました。ごった返していた園内からあっという間に人がいなくなると寂しいものですが(写真)、動物たちはやっとゆっくりできる時間になった、というわけですね。

2009/09/29

09年度:第1回 オリエンテーション

いよいよ今年度も始まりました。
さあ、真剣に楽しみましょう。

今日は、授業のオリエンテーションのあと、アレクサンダー・カルダー(Alexander Calder)の『LA MAGIE CALDER』というDVDを鑑賞しました。

内容は、針金を使ったサーカス、モビールの制作風景、ドローイング作品の制作風景と、大人にとっては垂涎(すいぜん)モノの映像資料です。今年度の授業プログラムに関連深い作品ということで紹介したワケですが、果たして何人の学生がこの作家のすごさを感じてくれたでしょうか。
(原田)

2009/02/04

08年度:第15回 最終回

今日はこの授業のまとめとして、千葉工大の先輩でもある横溝先生のこれまでの仕事を、この授業の内容に絡めて紹介していただきました。

2009/01/30

08年度:第15回 まとめ

諸事情により、
最終回は2月4日になりました。