2009/01/30

08年度:第15回 まとめ

諸事情により、
最終回は2月4日になりました。

2009/01/27

08年度:第14回 授業全体の振り返り

制作プロセスをプレゼンテーション

今日のメインメニューは、これまでの3つの課題のプロセスシート(パネル)の提出です。
評価のポイントは
・自分の作品としての制作プロセスが
 わかりやすく、魅力的に語られていること
・パネルの仕上がりが美しいこと(レイアウト、切り貼り)
・写真、文字の内容と表現が意図的にコントロールされていること
(写真の撮り方やトリミング、書体の選択や文字組)
・デジタルデザイン演習との関連づけと応用
などです。
広富萌香佐田奈緒子
吉瀧加寿美岡田彩子
提出後1時間ほどで各作品の評価・採点を行い、その後プチ展覧会として全パネルを全員で鑑賞しました。
特に良くまとまっている作品は一カ所に集め、作者を誉めたたえました。自信を持ってもらえれば。
午前のクラスでのプチ展覧会
午後のクラスでのプチ展覧会
午前のクラスの作品はグラフィックソフトを使ってまとまりの良いものが多かったのですが、午後のクラスの作品は手書きの表現に魅力的なものが多かったのが特徴です。

表現のゴールを決めるのは自分です

各課題の4回めの授業時に一度まとめとしての振り返りは行っていますが、全体を眺めてみるとまた新たな発見があると思います。
3課題ともレベルの高い学生、課題が進むにつれて質のあがっていった学生、気に入った課題だけやった学生、とりあえず条件だけクリアして場をしのいだ学生。人それぞれですが、授業運営側としては、予測や期待を超えて粘る人が増えてほしい訳で。「つくり直したのでみてください」とか「条件を拡大解釈してるけどこりゃスゲェ」というのが全くなかったのは残念です。
この授業での制作はこれで終了ですが、表現する面白さ、課題という枠を乗り越えて人に魅せる作品をつくるモチベーションの重要性を、来年度の活動に応用していってほしいと思います。

2009/01/20

08年度:この授業を振り返って

なんとか3つの課題がカタチになって、ほっとしています。
授業を担当する側の、全体を通してのふりかえりを、まとめておこうと思います。

この授業の重要なポイントは、「調べて」「発想して」「表現する」でした。
特に「調べる」という活動が、表現を勉強する人にとって最も重要なプロセスなのです。でも、そこがちゃんとできてなかったなぁ、というのが教員3人の共通した印象でした。
自分の手を観察してスケッチ、というのに、手をデジカメで写真に撮ってその写真を写してる・・・。
動物を観察して特徴をつかむ、というのに、ウェブで画像検索してしかもわざわざ写真を見なくてもわかる範囲の資料しかない・・・。
これらは極端な例ですが、良い作品をつくるんだ、という目的とあまり結びついていない印象は否めません。
「発想」とは「組み合わせのアイデア」でもあるので、「調べる」がちゃんとできていなければ、良いアイデアも生まれない訳です。また、とりあえずアイデアがひとつできたらそれでおしまい。たくさん考えて、そのなかから最も行けそうなものを選ぶ、という当たり前のことにたどり着けないのも悲しかった。
「表現」については、とにかく仕事が汚い。「やりゃーいいんでしょ」的にしか見えないのがつらかった。試作をして、うまくいったら、清書として完全版をしあげる、といったプロセスがない。与えられた条件や材料からはみ出るのを恐れているのか、質を上げる工夫がない。
さらに、3つの課題の関連性つまり、3つとも「調べて」「発想して」「表現する」という経験であること、ある課題での発想方法や表現方法が他の課題に応用できること、などの気づきが見えなかったのもとても残念。
これらは受講生を非難しているのではなく、表現初心者としてはできなくても当たり前かもしれません。しかしかつてはクラスの中にほんの数人でも気づいて粘る学生がいたのに、いまはほぼ全くいない現実がショックです。

受講生の数が多いこともありますが、レベルの低い(ごめん)横並び状態は、デザインの学びとしてとてもMOTTAINAI。美術系の学校などでは、授業の中でも「これは凄い」と誰もか感じる作品が必ずあって、「やられた」「負けた・・・」という経験が全体の質を上げていくもの。そういう空気をつくらなければ未来はありませんね、というのが私たち3人の共通認識でした。

で、私たちの覚悟として、来年度は「私たちも作品を作って見せよう」という結論に至りました。
備忘録的にやりたいことをまとめておくと、
・プロの仕事を見せる(説明もせずに教員が作品を作り出す!)
・3つの課題に一貫性のあるテーマにしたい
(たとえば「動物」をテーマに塑造、ペーパークラフト、モビール化)
・観察のための時間をプログラムに盛り込みたい(みんなで動物園に行くとか)
というようなアイデアがあがりました。
具体的にどう展開するかはこれからのお楽しみです。

08年度:第13回 課題3 ANIMAL MOBILE(動物の抽象表現)-4

モビール作品完成

今日はモビール作品の提出日。ブラインドのフレームを使ってすべての作品を展示しました。美しい!。
午前のクラス
午後のクラス
本日の授業内容メニューは、教員が作品の採点、学生たちのミッションはプロセスシートの作成です。
評価は
・アイデアスケッチ
・色面構成
・設計図
・モビール
・振り返りシート
の5種類の提出物の総合評価です。
動物の特徴を観察し、そこから発想を広げ、平面表現から立体表現へ展開、計画的に準備し、クオリティの高い作品に仕上げる。さらに、この課題での自分の活動の意味づけや前の2つの課題との関連について気づきや理解があったか。つまり、ちゃんと手順を踏まないと作品もできないし評価も低い、という授業だったのです。
評価が高かった作品や「おしい」という作品はクラス全員の前で、賞賛を送りました。
注目作品