2009/10/06

09年度:第2回 アイデアスケッチ

宿題(動物の観察)の確認、情報整理、アイデアスケッチ

今回は、本番の課題に入る前の準備ということで、取材してきた動物のスケッチから、作品制作に向けたアイデア出しの時間となりました。

「抽象化」に向けて

第一課題である「動物の抽象化」は、油土を使っての立体作品の制作です。本格的な制作は来週からとして、今日は受講生それぞれが動物園でスケッチしてきた表現を元に、その動物の特徴を抽象的な表現に展開していくアイデアスケッチをたくさん描きました。

石塚先生からは、「抽象化」の定義やこれからの制作プロセスについての説明と、ヒントとしてピカソ、ムーア、ブランクーシ、そして前回のカルダーの作品が紹介されました。

かなり丁寧に説明されたのですが、実際に自分でやってみると「抽象化ってどうするの?」的な学生が多かったようです。

ポイント
・「the」ではなく「a」、つまり個としての動物ではなく、種としての一般的なその動物の特徴を際立たせた表現。
・キャラクターデザインとは正反対の方向性。特徴を創り出すのでなく、その種が本来持っている「らしさ」を表現する。
・図鑑的なシルエットを描くのではなく、動きや仕種などからその動物の特徴を見つけ出す。



午前のクラス、午後のクラスを通して、「ペンギン」が圧倒的に多かったのが印象的です。描きやすそうだからか?
でも、よく考えてみてください。描きやすいということは、ある意味既に抽象化されている、パターン化されすぎている、と言うことでもあります。また、ペンギンなどは水中での活動に向けた進化を果たしていて、形態自体が既に相当洗練された機能的で抽象的なかたちをしています。輪郭線をなぞっただけでは魅力的な作品にはなりませんよ。

石塚先生のアドバイスにもあったように、対象とした動物が難しいと思っても、失敗を恐れずに、どうしたら美しいかたちを導き出せるのかの試行錯誤をやりきってほしいものです。


こんなにじっくり表現と向かい合える機会は今しかない


これは横溝先生からのコメントでしたが、まさにその通り。いま「表現したい」という気持ちを盛り上げておかないと、将来はないと思いますよ。
多くの学生がしっかり準備をしてこの授業に臨んでいる一方で、ホントにそれでいいの?と言いたくなる学生も何人か。説明をちゃんと聞く、制作に集中して「おしゃべり」で他の人の邪魔をしない、指定された準備は確実にやってくる、言われたことだけでなく自ら調べる、など小学生でもできる当たり前のコトはちゃんとできていてほしい。
人数が多いと、どうしても楽な方に流れてしまいがちだけど、ここでしっかりやりきった人が結局この先の成長を確実なものにできるってこと、解らないだろうなぁ・・・。
(文責:原田泰)

1 件のコメント:

  1. 今回は、以外に多くの学生が事前に動物園に行って動物をスケッチしてきていました。動き続ける動物のある一瞬を捉えスケッチを重ねていたのですが、抽象表現のプロセスに入ると多くの学生がパタリと思考も手も動かなくなっています。「見ているのに、見ていない。」のかなぁ。自分の心のひだに触れたものが何だったのか。そのとき感じたものがかたちや線で見えるまで、とことん表現ほしいです。

    返信削除